大人のたしなみ blog

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幼稚園では遅すぎる―人生は三歳までにつくられる!


『幼稚園では遅すぎる―人生は三歳までにつくられる!』 井深大

 幼児心理学の大家である山下俊郎博士は、幼児の怒りの要因として、つぎの六点をあげています。
1、病気など、健康状態が悪いとき
2、疲れ、空腹など、体の調子がすぐれないとき
3、不快なこと、恐ろしいことなど、強い刺激にあったあと
4、じゅうぶん動き回らないで、エネルギーがありあまっているとき
5、自分の欲求を通すため、わざとかんしゃくを起こすとき
6、怒りっぽい親から、怒りの手本を示されたとき
こうして並べてみると、怒りの原因は、ほとんど両親の環境やこれまでのしつけから生じていることがわかります。この原因を取りのぞかないで、頭ごなしに叱りつけたり、うるさいからと子どものいいぶんを通したりすれば、反抗的になるか、わがままになるだけです。

 幼児教育は基本的には「叱る」より、うまく「ほめる」という方法で教育していくほうが、より効果的と考えるべきです。
 とはいっても、どうしても叱らなければならないことは当然あります。この場合は、単に子どもの行動や考え方を否定するだけでなく、必ずその代案を示すとか、わけを話すとかすべきでしょう。まだ読みかけの新聞を幼児がビリビリと破りはじめたような場合も、手をピシャリとたたいてひったくってしまうのではなく、ちゃんとかわりの新聞紙を与えてやりたいものです。