大人のたしなみ blog

映画、読書、旅日記をつれずれなるままに

なぜ「それ」が買われるのか?


『なぜ「それ」が買われるのか?』 博報堂買物研究所著

�@「これでいい」の枠づくり(積極的妥協)
�A「これがいい」の枠づくり(生活発見を提案する)
�B「これしかない」の枠づくり(消費だけでなく参加できる)

「これでいい=積極的妥協」の枠づくりは、自分の人生にとって優先順位の高い生活領域以外の買物は割り切って省力化したいという生活者の気持ちを捉える。そして、省力化する中でも「これは外せない」というポイントを把握した上で、機能、品質、デザイン、価格で高度にバランスの取れた「ちょうどいい」商品・サービスを提供するという考え方だ。

「これがいい=生活発見を提案する」枠作りは、モノよりコト消費への欲求が高まる時代に、モヤモヤと「こんな暮らしをしてみたい」という気持ちがありながら言葉にできない欲求に対して、商品・サービスを通じた一歩先をゆく「生活発見」の提案を行う、という考え方だ。

「これしかない=消費だけでなく参加できる」枠作りは、SNSの普及以降生活者の中で高まる「自己承認欲求」を捉え、与えられたものをただ消費するのではなく、顧客が自ら参加できる仕組みをつくるという考え方だ。生活者は多少労力がかかってもわざわざ参加、応援することで自己承認・やり甲斐を得られるから、その対象が唯一無二の「枠」になるという考え方である。