大人のたしなみ blog

映画、読書、旅日記をつれずれなるままに

本の逆襲


『本の逆襲』 内沼晋太郎著

・今のネットニュースがいかにSNSや「2ちゃんねる」などのユーザーに「いじられる」かということを志向して作られているかが分かります。広告収入で運営している無料コンテンツである以上、一番のビジネスはアクセスを稼ぐことだからです。

・ただその場所に人を誘導するだけでなく、実際にそこを訪れないとダウンロードできない特別なコンテンツやコミュニケーションツールを仕掛けておくことが可能です。
たとえば、グルメガイドで実際にその飲食店でログインした人だけが星を付けコメントを残せるとか、旅行ガイドで訪れた名所の解説を端末のカメラ越しにAR(拡張現実)で表示されたキャラクターが話してくれるとか、小説で描かれるラストシーンの場所を実際に訪れると特別編としてその後日談がダウンロードできるとか、そうしたものです。本のライブがあるとしたら、こうした「リアルとの拡張」にこそまだ可能性があると言えるでしょう。

・『2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する』によると、2050年にはコンピューターによる翻訳が普及し、外国語の学習が不要になると言います。「CrowWorks」や「Lancers」、もしくは翻訳専門の「Gengo」「Conyac」などのクラウドソーシャルサービスを使うことで、きちんと人の手の入った翻訳を安価に発注することもできます。もちろんそうしたところに登録している多くの人はプロの翻訳家ではありませんから、これまで紙で出版されたレベルは求められませんが、内容や目的、読者対象によっては充分です。