大人のたしなみ blog

映画、読書、旅日記をつれずれなるままに

ウェブはグループで進化する


『ウェブはグループで進化する』 ポール・アダムス著

いかにもアメリカ人の書いた本だった。


ソーシャルネットワークの中心に近い人、つまり心理的に自分に近い人ほど頻繁にコミュニケーションの相手となる。

「ソーシャルウェブの登場により、多種多様な人々と交流することが可能となった」という考えを抱いてしまうかもしれない。しかし、実際には、私たちは自分と似た人としか交流していない。これは「ホモフィリー(同類を好む傾向)」と呼ばれ、さまざま角度から研究されてきた現象であり、ソーシャルネットワークにおける基本的な構造のひとつである。

他人よりも影響力を持つ人物が存在するのは確かだが、彼らの数は私たちが考えるよりもずっと少なく、見つけるのが困難でコストもかかる。最も声が大きく、最も目立つ人物がインフルエンサーであるとは限らない。つながりの多い人物が、平均的な人々よりも情報拡散の起点になりやすかったとしても、彼らがそれに成功する確率は状況によって大きく変化し、安定していない。従ってインフルエンサーに頼るというのは、リスクが高く信頼度の低い戦略なのである。