メディア化する企業はなぜ強いのか?
『メディア化する企業はなぜ強いのか?』 小林弘人著
・わたしが提唱する企業のメディア化戦略とは、プレミアムなコンテンツを編み、それに付随するイベントを行ったり、継続的にユーザーのためになる情報発信や人的交流等を続けることで忠誠心の高いユーザーを囲い込み、育成することが目的です。
・企業のプロモーションは、マス広告が先にありきで、ウェブが二番、いや、四、五番手のように扱われてきました。もはや、その状態は逆転したのです。ウェブ戦略が先にあり、次にマス広告をどう設計するかという発想こそが求められるのです。
・メッセージは、どんなにシンプルでも冗長性と反復性がなければ、記憶に刷り込まれない傾向にあります。「企業が語るコンテンツ形式の物語を軸としたマーケティング」が語るものとして、「コンテンツ」「エピソード」を挙げています。
「コンテンツ」はブランドの世界観を表現した作品型のもの。一例として、わたしたちが目にするテレビCM・サントリーの「伊右衛門」を挙げています。それは、ドラマの手法を利用して商品の世界観を演出しています。
「エピソード」は、それとは別にブランドに関する実話を示しています。「伊右衛門」」の場合には、それが同商品の茶葉をセレクトした京都の老舗茶輔・福寿園の創業者の名前から命名されたというファクト(事実)になります。
・ニッチな分野で展開されるメディア化の事例
オンラインの時計屋さんが運営する「ラヘンズミリタリー」というサイト。
アクセスすれば、たいがいの情報が手に入手できるようになっています。しかも、買えるわけですから、最強の専門誌だと思います。時計屋さんが逆に出版社化しているのです。